ベンチャー企業の特徴と転職後のメリット・デメリット|ベンチャー企業の口コミの探し方
日本でも急成長を遂げるベンチャー企業が増えている中で、
「ベンチャー企業で働いてみたい。」
「ベンチャー企業の将来性ってどう?」
「大手企業とベンチャー、どっちがいいの?」
「どんなベンチャー企業がいいの?」
と転職先としてベンチャー企業を視野に入れている方も多いと思います。
私自身、2度のバイオベンチャーへの転職を経験しています。その際の経験に基づいて、
ベンチャー企業の特徴や転職後のメリット・デメリット、ベンチャー企業の口コミの探し方など紹介します。
なおこの記事は企業PRを含みます。
そもそもベンチャー企業とは?
ベンチャー企業に明確な定義はありませんが、独自のアイデアや先端技術を軸に新規に起業した新興企業を指します。
そのほとんどが小~中規模の企業になります。
ちなみにベンチャー企業という言葉は、日本人が作った和製英語です。「リスクのある事業を行う会社」=「大企業が参入しにくい分野において、革新的な技術やアイデアでで事業展開している中小企業」という意味で使われる言葉になります。
ベンチャー企業の特徴と転職したときのメリット・デメリット
個人の裁量が大きい
大手企業の場合、社内の体制や文化が決まっていて、そのシステムに従うことが求められます。
その点、ベンチャー企業は、創業数年というケースが多く、社員も少ないことから、個々の裁量に任せてもらいやすことも事実です。
成果次第では、昇進や昇給といったチャンスもつかみやすい環境です。
経営者の質
個人的にベンチャーの経営者と話をする機会が多いのですが、そのたびに感じることがあります。
立ち上げて間もないベンチャーは特にそうなのですが、日常の振る舞いや経営方針に敬意が感じれず、話しているだけで不愉快な思いをすることもありました。若くして会社を立ち上げてしまったゆえに、社会常識を学ぶ時間がなく、社長や経営陣の社会的常識がない、というケースは多いようです。そういった会社は、社内・社外・コンプライアンスといったところで問題を抱えているケースも多く、その会社のひとつの姿を現していると考えたほうがいいでしょう。
類は友を呼ぶ
ベンチャー企業に入社したときに感じたのですが、同じようなバックグラウンドや経歴の人たちが集まる傾向があります。勤続年数も短いので、なじみやすい面があります。ただ、社内で異動がほとんどなく、入社したときにはすでに社内の人間関係が破綻しているなんてことも。
企業規模が小さいゆえに、人間関係の修復は難しいケースが多いようです。
ミスマッチ
ベンチャー企業に勤めている人は個性が強い傾向があります。特に社のトップが強烈なキャラクターの場合は、社員数の少ないベンチャー企業全体が独特の雰囲気につつまれていることもあります。また、30代、40代でベンチャー企業に転職する場合には、ベンチャー企業側にこうした年代を受け入れる体制が整っていないことがよくあります。若い世代の働き方とシニア世代の働き方では大きく違います。こういったミスマッチはベンチャーへの転職によくありますので気を付けましょう。
社長、経営陣が近い
ベンチャーの特徴として、経営陣や役員とも距離が近いことが挙げられます。日常的に経営陣や社長と意見交換をすることができ、課題や目標を共有しやすい環境にあります。反面、トップダウンで物事が決まってしまうこともあります。また、経営陣が近いことで、経営陣個々の能力がわかってしまうことがあります。
「意外と現場のことは知らないんだ」
「現場を理解してくれない」
「なんでこんな人の下で働かないいけないんだ」
なんて感じてしまうこともあります。
また、経営陣から現場に対して強い圧力がかかって、現場が何も言えない、という状況になっていることもあります。ベンチャー企業は従業員が少なく、口コミなどにもこういった現場の声はかかれていることも少ないのが現状で、入ってから、「あ、実際はこんな会社だったんだ、、、、」と気づくこともあります。
有給が少ないことも、みなし残業代も注意
立ち上がって間もないベンチャーは福利厚生などが手つかずの場合があります。有給10日だけ決められていて、夏休みなし、産休、育児休暇、介護休暇は取得はできるものの無給というところも多いのが実態です。何かあった場合には無給休暇を取得する必要がでてくることも多いのが現状です。また、みなし残業代といってあらかじめ残業代が年棒に含まれているケースもあります。この場合、基本給は年棒から残業代を差し引いた額になり、ボーナスの計算などは差し引かれた額を基に計算されることになります。
コンプライアンスにルーズなベンチャーも
ベンチャーの経営陣は、若く、経験も浅い方が多いので、社会経験を積まずに会社のトップになってしまうこともあります。ベンチャー企業の経営陣の中には、人や会社としてやっていいこと、やってはいけないことがわらかない人もいるかもしれません。大手企業と違って、ベンチャー企業には自浄能力というものが欠けています。ベンチャーに転職される場合には、こういったこともある程度覚悟しておく必要があります。また、最近、×××の夜明けに出たバイオベンチャーが文春砲の直撃を受けました。実は、とあるエージェントからこのベンチャーのオファーを受けた直後でした。真相は定かではありませんが、煙のないところにはなんとやら、とも言います。過度なパフォーマンスや誇大広告をかかげているベンチャーは本当に要注意です。本来、本当に実力のあるベンチャーはそのようなパフォーマンスや広告は不要なのです。自浄能力に欠けている可能性大、経営陣が勘違いしている可能性大です。
ベンチャーの年収は?
一般的には大手企業より給与水準が概ね低く、入社後のボーナスや昇給も会社の業績次第になります。ただ、私の経験からすると、入社時におけるトップの評価次第と感じました。ベンチャーで必要としているスキルや知識を持っていて、トップが十分に評価してもらえるのであれば、年収もその分上乗せが期待できます。必要とあらばしっかりと投資してくれる、というのもベンチャーの特徴です。場合によっては、入社後にストックオプションの権利などを与えてくれるケースもあります。ちなみに多くのベンチャー企業には退職金制度がありません。裁量労働制や年棒制、といった制度を取り入れているところも多くあります。生涯賃金はやはり大手企業には及ばないので、高収入を求めるのであれば改めて転職を考えてみるのも一つの手でしょうか。
ベンチャー企業の将来性は?
スタートして間もなかったり、上場した直後はまだ資金が潤沢にありますが、持ち合わせている技術をもとに収益を出すことができなければ、経営状況は間違いなく不安定化します。大手企業のように、一つの部門がなくなったとしても、他の部署へ配属すればよいのですが、ベンチャー企業はそのような器はなく、場合のよっては即リストラ、ということもあります。ベンチャーゆえの不安定さはデメリットとしてしっかり覚悟しておいたほうがよいでしょう。
ベンチャー企業の過度なパフォーマンスには注意
ベンチャー企業はテレビ番組や様々メディアへ露出を増やしたり、得られた成果を盛大にアピールする傾向があります。そうすると、会社の知名度だけが先行してします。先にも書きましたが、ベンチャー企業のパフォーマンスには要注意です。企業の知名度は、会社の将来性や社員の待遇とは関係ありません。また、すべての投資家がその業界に詳しいわけではなく、ましては賢いわけでもありません。素人判断でスタートアップ資金を提供しているベンチャーキャピタルもあります。そういったところから資金調達しているベンチャーも当然要注意です。もし知名度の高いベンチャー企業が目にとまったときには、経営状況が上向きで知名度があがったベンチャー企業なのか、それとも単にアピール上手なベンチャー企業なのか、資金源は大丈夫なのか、しっかり見極めてください。
優良なベンチャー企業もあります
ちなみに
- 週刊東洋経済紙の『すごいベンチャー100』
- ベンチャー通信編集部の『ベストベンチャー100』
- 『Forbes』など世界的な経済誌
などに掲載されたベンチャー企業は優秀です。将来的に大きな期待ができる企業といえます。過度な広告、広告塔を掲げなくとも実力で知名度を獲得できます。また、ベンチャーキャピタルや個人投資家から大型資金を調達したり、さらに上場を成し遂げたのベンチャー企業は当面(10年程度)は安泰です。一つの目安として、急成長していたり、勢いのあるベンチャー企業はオフィスやラボを移転をします。そのため、ベイエリアには優良ベンチャー企業のオフィスやラボが立ち並ぶようになりました。そういったベンチャー企業は注目してもいいかと思います。
ベンチャー企業の求人情報の集め方
私が在籍していたベンチャーでは、JACリクルートメントとパソナキャリアに依頼して、中途採用者を探してもらっていました。
実際、転職活動をしていた時期には、この2社からは頻繁に求人情報をいただいていました。
ヘイズジャパン、ランスタッドなどからも、小規模~ベンチャークラスの良い求人を紹介していただきました。
・JACリクルートメント (バイオ系企業の内定を獲得)
・ランスタッド (バイオ系の質の良い非公開案件多数あり)
・パソナキャリア (エージェントのレベルが高い、内定獲得)
会社の内部の様子を事前に把握しておきたい。会社見学なども。
従業員が少ないこともあり、口コミがないところも多いかもしれませんが、まずは口コミサイトなどで情報をあつめてみてください。
Openwork(旧Vorkers)【公式】https://www.vorkers.com/
転職会議【公式】https://jobtalk.jp/
キャリコネ【公式】https://careerconnection.jp/
カイシャの評判【公式】https://en-hyouban.com/
あと、できれば、入社前に会社見学などをさせてもらうことをすすめます。
所属となる部の雰囲気、人間関係に探りをいれて、疲れた人がいないかチェックしてみてください。
さらには仕事の振り分け方、残業の実態なども質問してもよいでしょう。
また、求人が一人だけという場合も注意してください。
ベンチャー企業は社員が少ないために、前任者が何らかの理由で退職してしまった場合には、すぐに求人を一人だけ出すことがあります。
その場合は、なぜ自分のポジションが空きになったのか、探りをいれてみてください。
私の場合ですが、内定前後に会社訪問やラボ訪問をさせていただきました。
そのベンチャーのラボの仕事の割り振りは、ちょっとありえないようや入れ子のシフトを組んでいました。
現場はプレッシャーに耐えられないのでは?参ってしまいますよ。と指摘したことがありました。
丁寧に説明すれば改善させられるだろう、という考えもあって、入社をすることにしました。
ただ実際に入社してみると、その部署は想像以上にブラックでした。
1年以上働き続けられていたのが3~4人。
それ以外8~9名は耐えられずに他部署に異動していったり、退社してしまった方に補充されてきた人たちでいずれも数か月前に赴任してきた方ばかりでした。
ほとんどのスタッフが、今の仕事に疲弊していて、仕事にすごくおびえていて、すぐにでも異動したい・転職したいという方ばかりでした。
この会社でさらに残念だったのは自浄作用といものがありませんでした。人が辞めていく、逃げていく理由を考えて、部として原因を考えて対応する、ということが行われていませんでした。
この会社、人の働き方におかしい?と思った時には、入社はよくよく考えるようにしましょう。
あとベンチャー企業には、仕事の自主性を軽視する傾向があります。つまり仕事の裁量を十分に与えあず、トップダウンで仕事をさせる。
こういった場合、仕事に失敗すると現場の責任にされがちです。うまくいかないのはトップの責任ではないんです。
これをやる会社では社内の縦・横のつながりが切れます。
社内ルールや文化が成熟していないため、特に上下関係についてはすぐに破綻します。
会社見学に行った際には、組織内の隙間風や各スタッフの距離感、仕事の割り振りやスピード感、などを見て下さい。
意欲的に仕事をしているのか、疲弊してしまっているのか、はすぐにわかるかと思います。
ベンチャー企業に向いている人
- 自身の成長を望み、積極的な人
- 変化を楽しめる人。
- 自分の可能性を試したい人
- 将来的に独立や起業を考えている人
- 幅広い経験を積みたい人。
- 企業の経営に関わるさまざまな知識も身につけたい人
- 朝からランニングができるタイプ
- あまり空気を読めない人(周りの空気に惑わされない人)
まとめ:企業分析はしっかりと
ベンチャーで就労していた運営者自身の経験に基づいて、ベンチャー企業の性質や注意事項をまとめました。
ベンチャーへの転職はチャンスがあるだけでなく、リスクもあることを念頭に転職活動をしてください。
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