私もそうだったのですが、博士課程への進学してもやっていけるのが、進学しても学位をとることができるのか、不安や疑問を持っている方が多いと思います。
苦労して取得する学位、それが自分のキャリアにどのくらい+になるのか知っておきたいですね。
この記事では博士号取得のメリットや取得後のキャリアについて解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
博士になること・博士号取得のメリット
研究者としてのスタートラインに立つ
博士になることは本当に大変です。一定の研究成果を出して英語で論文を投稿しなければなりません。そのためには博士課程の間は自身の研究に没頭します。当然世界中の研究者がライバルになります。その競争を勝ち抜いてこそ、研究者としてのスタートラインに立つことができます。
その分野の有識者の仲間入り
学会発表や市場発表をすることで、自分の名前や成果がその業界に広まります。そうするとその分野のほかの研究者とのつながりも増えてきます。このころになると、研究に対してやりがいを感じられるようになります。
論理的思考力を身に着ける
論文執筆において最も重要なのが論理的思考力です。世界中の研究者に対して、自分の説を説くわけです。文章能力だけでなく、論理的に自分の説を解説する力が求められます。
ディスカッション力
研究活動においては、自身で考えた仮説に基づき、実験や研究計画をたてます。そしてその仮説の検証を繰りかえすことで、正しい結論を導きます。その過程においては、自分の指導教官や他の大学院生などとのディスカッションをすることになります。このディスカッションをこなしていくことによって、より論理的に自分の意見を述べる力が身に付きます。
忍耐力
アカデミアでは周りの研究者はすべてライバルです。研究室内のゼミなどのディスカッションでは自分の研究成果に対して厳しい意見をもらうこともあります。また、学会発表や市場発表においては、外部の研究者から実験結果を否定されるような意見や批判をうけることも少なくありません。こういった厳しい意見を受け止めて正しい主張を展開するだけの忍耐力が求められます。
博士号は研究者のライセンス
博士号の取得にはこのようにきわめて高いハードルが待ち構えています。つまり博士を取得したということは一人前の研究者としての能力を持っていること、つまり研究者のライセンスを与えられた、といことになります。特に欧米においては博士号取得者というだけで尊敬のまなざしをうけます。
博士の進路
アカデミアの研究者
博士号取得者の多くが大学や公的研究機関の研究者として、研究生活をスタートさせます。そのほとんどがポスドクと呼ばれる任期制の研究者になります。大学の場合は研究だけでなく、学生指導などの教育も行います。その後、論文や特許などを成果をたくさん出して業界で認められたわずかな研究者がり定年制の研究者(テニュア)につくことができます。
民間企業の研究・開発職
日本では学資取得後に民間企業に就職する博士はもともと少なかったのですが、近年のアカデミア業界の低迷ということもあって民間企業へ就職する博士も増えてきました。企業側も博士を積極的に採用する企業も増えてきました。
官公庁への就職
公務員試験を受けて、文部科学省、厚生労働省などの中央省庁などに就職する博士も増えてきました。
海外へ
私の場合、学位取得後はアメリカの大学でポスドクのポジションにつきました。
近年は学位取得してすぐに海外へ飛び出す博士は減ってきているような気がします。様々なリスクがあることは事実ですが、帰国後には海外経験者として優遇されやすくなります。
まとめ
博士号の取得は確かに大変です。取得するときには早くても28歳になっています。人生において大切な20代のほとんどを自分の研究に没頭しなければなりませんが、その代わりに様々なメリットや海外チャレンジなど大きな夢ももつことができます。また、近年ではいきなりベンチャーを起業する博士も増えてきます。博士号取得者は減少傾向にありますが、博士取得を通して自分のキャリアアップを目指すのも悪くはないのではないでしょうか。
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