【体験談】うつ病からのクローズ就活 ~病歴を隠して挑んだ再就職活動のリアルな記録
私はうつ病を経験し、長期間の休職を経て社会復帰を目指しました。しかし、精神疾患の既往歴を公にすることは、就職活動において大きな壁となります。多くの企業がメンタルヘルスに関する偏見を持ち、正直に話せば不採用になるリスクが高い現状があります。そこで私は「クローズ就活」と呼ばれる、病歴を隠しての就職活動を選びました。
この記事では、うつ病を抱えながらも再び仕事を探す過程で直面した困難や工夫、心の葛藤を詳細に綴ります。精神疾患に悩む方やこれから就職活動を始める方の参考になれば幸いです。精神的に不安定な中でもどのように自己管理し、社会復帰を果たせたかを包み隠さずお伝えします。
うつ病発症と休職期間の経緯
私がうつ病を発症したのは、仕事の過重なストレスと慢性的な疲労が原因でした。最初は些細な不眠ややる気の低下、集中力の欠如から始まりましたが、症状は徐々に悪化。仕事に行くことが精神的に苦痛となり、ついには通勤もままならない状態に陥りました。
精神科を受診し、医師から「うつ病」と診断されてからは、抗うつ薬の服用と心理カウンセリングを開始しました。しかし、治療は決して一筋縄ではいかず、何度も薬の種類を変え、副作用に苦しみながら、またカウンセリングでも辛い感情と向き合いました。
休職期間は約1年半に及び、その間は仕事から完全に離れ、体調の回復に努めました。しかし、その間に職歴に空白ができてしまい、再就職時にどのように説明すべきか頭を悩ませました。精神疾患の既往歴をどのタイミングで、どのように伝えるかも大きな課題でした。
クローズ就活を選んだ理由と葛藤
就職活動を始めるにあたり、精神疾患の既往歴を正直に話すべきか否か、深く考えました。精神疾患はまだまだ社会的偏見が根強く、正直に話すことで選考に不利になるリスクが高いのが現状です。何度も自己否定の感情に襲われ、「隠していいのか」「嘘をついているのではないか」と自問自答しました。
最終的に、私は「クローズ就活」を選びました。病歴を隠し、履歴書の空白期間については「自己成長やスキルアップのための時間」と説明し、面接でも病気の話題には触れないよう努めました。もちろん、これは精神的に大きな負担となり、いつバレるかという不安に常に晒されることになります。
しかし、現実的に生き残るためには、そうするしかないという判断でした。家族やカウンセラーとも相談しながら、できる限り正直に自分の状態を説明できる日を目指して就活を続けました。
就職活動で直面した困難と具体的な工夫
クローズ就活では、まず職歴の空白期間について質問されることがほぼ決まっています。私は「自己研鑽の時間でした」とポジティブに説明しました。例えば、趣味やボランティア活動、資格取得の勉強などを具体的に話すことで、空白期間をネガティブに捉えられないように工夫しました。
また、面接当日はできる限り体調を整え、万全の状態で挑むことを心掛けました。疲れが溜まった時には無理せず面接日時を調整し、健康管理に最大限配慮しました。体調の波が激しいため、ストレスを減らす工夫として、面接前には深呼吸や軽いストレッチを行うなどセルフケアにも力を入れました。
さらに、ハローワークや精神疾患に理解のある転職エージェントを積極的に活用しました。専門のカウンセラーからサポートを受け、精神疾患を理解してくれる企業や職場環境を紹介してもらうことができ、大変心強かったです。こうした支援を得ることで、孤独感が和らぎ、前向きに就職活動を続けられました。
心の葛藤と支えとなった存在
クローズ就活を続ける中で、常に「病歴がバレてしまうのではないか」という不安と戦いました。自己否定や罪悪感が強く、精神的に非常に辛い時期もありました。周囲に話せない孤独感もあり、時にはどうしようもない焦燥感に襲われることもありました。
そんな時、家族や友人が何よりの支えとなりました。何気ない会話や励ましの言葉に救われ、自分を責めすぎずに済みました。また、精神科のカウンセラーとの対話も重要な役割を果たしました。専門家のアドバイスを受けながら、少しずつ心の安定を取り戻すことができました。
また、同じような経験を持つ人たちとオンラインコミュニティで交流することも、自分が一人ではないと感じられ、大きな励みとなりました。
内定獲得と再就職後の生活のリアル
多くの困難を乗り越え、ついに内定を獲得。再就職を果たすことができました。新しい職場では体調管理がこれまで以上に重要だと痛感しています。無理をせず、疲れた時はきちんと休むことを意識しながら働いています。
また、職場の信頼できる上司や同僚にだけ精神疾患のことを話し、必要な理解や配慮を得るように努めています。これにより、仕事上のストレスが軽減され、長く働き続けられる環境が整いつつあります。
もちろん、まだ課題も多く、時折不安や落ち込みに襲われることもありますが、過去の経験を糧に、自分なりのペースで生活しています。
まとめ:クローズ就活のメリットとデメリット、そして未来へ
- メリット:精神疾患に対する偏見や差別を避け、選考の機会を増やせる
- デメリット:自己否定や罪悪感、精神的な負担が大きく、ストレスがかかる
- 今後の展望:よりオープンに話せる社会づくりと、自分に合った働き方の模索を続ける
精神疾患を抱えながらの就職活動は決して簡単ではありません。しかし、焦らず自分のペースで進み、無理のない範囲で努力を積み重ねることが大切です。私もまだ途中ですが、同じ悩みを持つ方と経験を共有し、支え合えるよう情報発信を続けていきたいと思っています。
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