私自身、40代後半になって3度も転職活動をすることになるとは思いませんでした。特に、この2回目の転職活動はコロナ禍も重なって求人数は急激に減少、エージェント活動も低迷気味で反応が悪くなってきた時期だったので、49歳のチャレンジはなかなか良い経験となりました。この記事では、コロナ禍でもめげずに無謀なチャレンジをしたアラフィーの転職の様子を詳細に紹介させていただきます。
コロナ禍で転職市場は低迷
新型コロナウイルスの影響で、2020年前半から世界中の経済活動の一部がストップしました。リモートワークなどの普及もあってIT業界やWeb業界は需要拡大がつづいていますが、それ以外の業種にはさすがに大きな影響が出ました。
40代一回目の転職時には、エージェントが企業側に「こういった人がいるんだけれど、いかがですか?」という感じでアピールしてくれたこともありました。しかしコロナ以降ではそういったエージェント活動もなくなり、スカウト連絡も明らかに減りました。
大手の転職サイトで検索しても、同じような求人ばかりひっかかるんですね。新しい案件もほとんど入ってこない状況が続いていました。今までのやり方では、応募したいと思う求人はなかなか見つからず、正直途方にくれていました。
転職活動の作戦を変更
そこで、今までの転職活動にさらにテコ入れをしてみました。まず、エージェント力に定評のある人材紹介エージェントを中心に登録数を増やしました。大手転職サイトには載っていないレアな求人が見つけられたり、良い求人と効率的にマッチングできるのでは、と考えました。
専門特化型エージェントへの登録
自分の専門にあった求人をみつけるためには、やはりその分野に特化していないと、と考えました。そして、以前に大変お世話になったJACリクルートメントも連絡をしてサポートをお願いしました。
それまでは超大手のメジャーな転職サイトの検索が中心だったのですが、それが裏目だったようです。情報量が多い分、スカウトも機械的でマッチング力がよくない。どのサイトで検索しても同じような求人が並んでいました。
ところが、中小エージェントや力のあるエージェントには、オリジナル求人や非公開求人といった本当にレアな求人を持っているんですね。さらにエージェント自身がマッチングするので、コロナ禍でも、え、っと思うような求人情報を連絡してくれました。
コンサルタントから連絡
そんな中、以前からお世話になっているJAC Recruitmentの女性コンサルタントから連絡が届きました。
この業界は長年携わってきていたので、紹介していただいた会社のこともよく知っていました。正直、悪い噂もたくさん聞いていたので、最初は如何なものかと感じていました。
数日後にコンサルタントの方とお話をさせていただきました。現存の技術に加えて、新たな事業も手掛けるということでした。幸い、私自身はどちらの分野も経験があり、自分のバックグラウンドを最大限に活かすことができると思いました。
まずは書類通過
応募のお願いをして二日後にコンサルタントから電話があり、書類が通りました、との連絡をいただきました。
コンサルタントが応募書類を先方に送った直後に先方から合格の連絡があったそうです。私の専門性が相手のニーズとドンピシャでした。すぐに面談をさせてほしいとのことでしたので、2日後にZoom面談をすることにしました。
コンサルタントと一次面接対策
早速、その翌日にコンサルタントと電話で面談対策をさせていただきました。
一次面接対策内容
- 企業情報と研究施設の現状の把握、将来的な展望の説明
- 面接官二名の経歴やバックグラウンド
- 想定される質問
- 技術的な課題などについての逆質問の精査
JACのコンサルタントの方はアカデミア業界、研究業界についてもよくご存じだったので、この企業が持ち合わせている技術が抱えている課題などを洗い出すことができ、逆質問の内容をしっかり吟味させていただくことができました。
1次面接
研究部門責任者と経営部門部長とのZoomで面談でした。定番の簡単な自己紹介と志望動機を話したあとは、履歴書や職務経歴書の個々の内容について質問を受けるという感じでした。
この両名はある業界のエキスパートでしたが、この社の技術については全くの未経験者でした。幸い、私はこの研究分野に20年以上携わってきていて、この社の技術についてもアカデミア時代に経験していたこともあり、すべての質問に無難に答えることができました。
コンサルタントと2次面接対策
1次面接の数日後にコンサルタントから電話連絡があり、無事1次面接は通過したとのことでした。その日の午後、メールで改めて連絡があり、2次面接では課題が届きました。
2次面接の課題内容
- 与えられた課題について研究戦略を提案せよ
- 与えられたあるデータについて考察せよ
前者の課題については、以前に経験のある内容でした。測定器などハード系は以前に在籍していた機関が多数もっていたこともあって知識は十分あり、それらの測定方法の比較も容易にできました。
後者のデータは全く経験がありませんでしたが、ネットで自分なりに情報収集をして、自分なりに分析をしておきました。
2次面接
2次面接は経営推進部部長と社外の事業コンサルタントの方でした。すぐにZOOM&PPTを使って、課題の発表をすることになりました。
1問目については、知識と経験がしっかりあったものだったので、むしろ先方を圧倒した感がありました。自分が実際に測定したデータもおりまぜて、各測定方法のメリット、デメリット、装置の価格、スループットの良し悪しなどを説明しました。
いよいよ最終面接
週が明けて間もなく、コンサルタントの方から2次面接【合格】の連絡がありました。
コンサルタントと最終面接対策
数日後に最終面接の打ち合わせをコンサルタントの方とさせていただきました。企業への資金調達の状況から、業界の動向、会社の課題、将来性などから、あまり関係ない他社の話など一時間ほど話をさせていただきました。
特にこちらから質問する「逆質問」について、どういったものがよいか相談できました。CEOは経営の専門家で、科学者出身ではないとのことだったので、あまりマニアックな質問は控えたほうがよいとのことでした。
最終面接当日
いままではZoom面接だったのですが、最終面接はCEOとの対面の面接でした。自分より若いCEOで、ベンチャーだけあってTシャツに短パン、サンダル姿でした。これにはちょっとたまげましたが、話はしっかりしていました。
質問された内容
- 前の会社の退職理由
- 共働き&子育ての現状
- 残業はどの程度できそうか
- 将来のキャリアプラン
- 環境変化についていけるか
- 仕事の範囲が広いが大丈夫か
逆質問した内容
- 技術的にできないターゲットはどのくらいあると考えているか?
- 借りている測定装置はいずれ自前で購入するのか?
- 別の技術を導入する予定はあるのか?
年棒は前職より下がる可能性が高いとのこと。このあたりはエージェントの交渉力が試されますね。
最終面接の結果の連絡
最終面接から二日後、結果の連絡がありました。
先ほどはお時間頂きまして、誠にありがとうございました。
改めて最終面接【合格】おめでとうございます。
なんと、無事内定を獲得することができました。40代後半で2回目の転職。49歳のチャレンジは一応成功しました。年棒についてはもう少し交渉の余地があるので、エージェント経由で交渉をしてみようと思います。
3度目の正直?
このときはまだわからなかったのですが、しばらくするとさらに好条件の転職の話が来てしまいました。さてどうしますか。続きはこちらの記事で。
まとめ:49歳転職成功の秘訣
成功のポイント
- 専門特化型エージェントの活用 – 自分の専門分野に精通したエージェントを選ぶ
- コンサルタントとの密な連携 – 面接対策から企業情報まで徹底的にサポートを受ける
- 経験の棚卸し – 20年以上の専門知識を具体的にアピール
- 逆質問の準備 – 企業への関心と専門性を示す質問を用意
- 諦めない姿勢 – コロナ禍でも戦略を変更して挑戦し続ける