アラフィフでアカデミアの研究員から管理職に転職
ただ、パーマネントのポストはなかなか獲得ができず、任期制のポストを渡り歩いていました。 「任期制のポストを続けていても将来が不安」
「次のアカデミアのポストが見つからない」
「引っ越しが多くて、安定した生活ができない」
と悩んだ末、40代後半から思い切って民間企業への転職活動を始めました。
ところが当初は民間の転職活動のノウハウは全くなく、 「博士って企業で採用してもらえるのか?」
「どうやって民間企業の転職先をみつければいいのか?」
「どんな転職サービスを利用すればいいのか?」
「年齢的に大丈夫だろうか?年収は?」
「論文や実績って必要なの?」 など、思うように転職活動ができませんでした。
しかし、アカリクキャリア、JACリクルートメントにひとまず登録してサポートを受けながら転職活動を続けていくうちに転職のコツをつかめるようになり、最終的には数社の企業で内定をとることができました。そして49歳で某大手企業で研究開発系の管理職に転職することができました。現在は、アカデミア時代の経験を活かして新規事業や研究開発のマネージメントや研究者の指導などを行ったり、斬新なアイデアを提案して社内で抱えていた課題を解決するなど、予想外の活躍ぶりに自分でも少し驚いています。
アカデミア出身者や博士は民間企業では役に立たないのでは?なんて考えていましたが、目指す業界をしっかり分析し、自分を本当に必要としてくれる会社を選ぶことができれば、私のような人間でも活躍する場はあることがよくわかりました。
私のように50歳前後のアカデミア在籍者の方も、大手企業に転職することは十分に可能です。
アカデミア在籍者の方は参考にしてみてください。なおこの記事は企業PR・紹介を含みます。
- アカデミアから民間企業への転職のメリット
- ポイントは「ミスマッチを減らす」
- アカリクキャリア、JACリクルートメントに登録しておく
- 慣れてきたら中小規模のエージェントからレアな求人を狙う
- 転職エージェントは民間企業転職の必須アイテム
- まずは転職のプロとのやり取りで民間への転職活動の感覚をつかみむ
- 理系、バイオ系、エンジニア業界に強いと感じた転職エージェント情報
- アカデミア業界で培ったスキルを武器に!
- そもそも、民間の転職市場でアカデミア出身者の強みはあるのか?
- やはり、アカデミア時代の研究に未練が残ってしまう
- 「博士アレルギー」をもつ日本の企業
- どのような転職市場にアカデミア出身者のニーズがあるか
- アカデミアから民間企業への転職ノウハウのまとめ
アカデミアから民間企業への転職のメリット
アカデミア在籍時には民間企業へ行くことにはかなり抵抗がありました。自分の考える研究テーマが見つけられないのでは?会社や上司の言いなりにならないといけないなど、自分自身が誇りを持てる研究目標をもつことができないと感じていました。しかし、実際、民間企業への転職にはアカデミアにはないたくさんのメリットがあることも事実です。
アカデミア時代は、誌上発表だけが人生の目標なんて考えていましたが、決してそうではない、ということに転職してから気が付きました。また、論文数が少ない、実績が少ない、と感じていても、民間企業への転職では関係ありませんでした。また、民間企業では他の社員とテーマを共有しながら研究・開発をすすめていくので、むしろアカデミアよりやりがいは見つけられやすいと思いました。
メリット2 年棒アップ、退職金も
アカデミアでは年棒は頭打ちでしたが、民間へ転職することで年棒アップが期待できます。私の場合、アカデミア時代の1.5倍の年棒になり、明らかに生活や将来にゆとりが生まれました。
メリット3 任期はない
任期がなく、年棒も良い民間企業に就職することで気持ちや心は安定します。アカデミア時代に感じていた焦りやライバル意識というものはほとんど感じなくなりました。
メリット4 場合によってはアカデミアに戻ることも
民間の実績も踏まえて、アカデミアポストに再チャレンジすることも可能です。実際、私もある国立大学のポストの話が来ています。良い公募があったときには再度応募してみようと思います。
ポイントは「ミスマッチを減らす」
民間企業への転職活動を始めた当初はとりあえず内定を取ることに一生懸命で、あまり企業研究や社風というものを意識しませんでした。
そのため、1回目と2回目に入社した会社では、ミスマッチにずいぶんと悩みました。
後から面接のプロセスを振り返ると、あのときのあの場面にはブラックな一面を示すサインだったんだ、なんて気が付くこともありました。以下はアカデミア出身者が民間企業へ転職する際のポイントになります。
・アカデミアポジションへの応募を継続しながら企業への転職活動を行う
・アカデミア出身者の転職実績のあるエージェント(アカリクキャリア、JACリクルートメントなど)に登録しておく
・博士(自分自身)を必要としている企業を時間をかけて探す
・自分にあった求人(できれば研究開発関連)を探す
・辞めた人を補填する求人か(これはダメ)、新規事業拡大のための求人か(こちらに応募すべし)を見極める
・会社の口コミは必ずチェックする(Openwork(旧Vorkers)、転職会議、キャリコネ、カイシャの評判、YAHOO!しごと検索など)
・社員の少ないベンチャーは避ける、社長が理系出身者ではないベンチャーもさける
・できるだけ社員が多い企業を選ぶ
ちなみに転職エージェントには、ベンチャーから大手まで多岐にわたって膨大な求人情報をもっています。それら求人情報は、辞めた人を補填する求人なのか(これはダメ)、それとも新規事業拡大のための求人なのか(こちらに応募すべし)をしっかり見極めてください。
アカリクキャリア、JACリクルートメントに登録しておく
→書類通過率50%以上、アカデミアからの転職を専門とする転職エージェント
実際、転職エージェントは本当にたくさんありますが、アカリクキャリアはアカデミア出身者の転職の手始めに登録するには最適のエージェントです。アカデミア在籍者、博士の方が、民間企業への転職活動を始めたときに、「まずアカリクに登録して様子を見てみよう」と考えて利用するケースが多いサービスです。アカリクは専門性のマッチング度が極めて高いのが特徴で、アカリクからスカウトは間違いなく、博士を本当に必要としている企業との橋渡しをしてくれます。民間企業への転職ノウハウを丁寧に指導してくれて、アカデミア人材を必要としてくれている企業情報も数多くもっています。
→直近、ライフサイエンス系研究職の内定獲得
アカデミアからの転職の場合は、自分自身が持っている専門性と企業側が求めている専門性を一致させることが重要です。JACリクルートメントは膨大な情報量をもっていて、そのなかから自分の専門にあった人材を探し出してくれます。理系出身や女性のエージェントが多く在籍していてレベルも業界トップクラスです。バイオ・ライフサイエンス系など各技術系専門分野に精通していて、アカデミアからの転職実績も豊富です。実際、私の専門分野のことも本当に良く理解していて驚いたことがありました。また、業界トップレベルの膨大な求人情報を持っていて、その中から自分にあった企業を探し出して頻繁に連絡をしてくれます。
複数の転職エージェントに登録して、できるだけ多くの情報を集める
各社はもちあわせている求人情報やサポート体制、得意とする分野に違いがあります。複数の転職エージェントに登録しておくことでより多くの求人情報に触れることができます。積極的に利用しましょう。
慣れてきたら中小規模のエージェントからレアな求人を狙う
ある程度転職活動に慣れてきたら、ある業界に強い特化型エージェントやエージェント力の強い中小規模の転職サービスを使ってみてください。一般的に大手の求人は複数の転職サービスが情報を共有しているため、応募が競合することがすくなくありません。そこであまりメジャーではないのですが、業種や地域に限定的に強みをもつ中小規模の転職エージェントを探して登録するようにしました。大手エージェントではよい求人を見つけられなかった方には以下のエージェント各社の登録をおすすめします。
転職活動中はできるだけたくさんの求人情報に目を通すことが大切です。そのためエージェントは複数登録することをおすすめします。またあまり知られていないレアな求人や自分を求めている求人を探すことも大切です。有名どころだけでなく、中小規模のエージェントも組み合わせて登録をしてみて下さい。
転職エージェントは民間企業転職の必須アイテム
アカデミアの場合、JREC-IN Portalなどで公募情報を探して自分で書類を作って応募します。一方、民間企業への転職の場合は、転職サイトや転職エージェントのサービスを利用して応募します。転職サイトは文字通り、求人情報をオンラインで検索できるサービスで、JREC-INの会社版といったところです。転職エージェントは民間企業の求人紹介やスカウト、内定後の企業とのやりとりや年棒交渉など、転職活動全般のサポートを無料で行ってくれます。
- 非公開求人(新規事業への挑戦や特定部門の強化をなどに企業側が公にしたくない事案に関連しているポジション)を多数所有
- 経験にあった求人の紹介(スカウト、ヘッドハント)
- キャリア相談、履歴書・職務経歴書を添削、面接対策
- 応募、面接日時の調整を代行
- 内定後の様々な交渉の代行
まずは転職のプロとのやり取りで民間への転職活動の感覚をつかみむ
最初は、民間企業に対してどのように転職活動をすればよいかまったくわかりませんでした。何気なく転職エージェントのJACリクルートメントへ登録したことがきっかけとなりました。エージェントとのやり取りを続けていくうちに民間企業への転職の感覚が徐々に身についていきました。
転職活動初期から優秀なエージェントを利用することで、民間企業への転職の全体像を理解することができ、また気持ちも大変落ち着きます。また、アカデミア時代の研究実績や培った技術のなかから「自身の強み」をより明確にすることができるようになります。また、どのような業界や職種が自分の専門性と一致しているのかも理解できるようになります。
任期が迫ってくると、転職活動に時間をかけることも難しくなります。慌てて転職先を見つけようとすると、転職後に後悔することも少なくありません。民間企業に転職する、しないにかかわらず、転職エージェントに登録しておくことが重要です。これらの転職エージェントの登録・利用はすべて無料です。もしスカウトが届いても断ることができます。転職を考え始めたらエージェントへの登録だけでもしておくことをおすすめします。
理系、バイオ系、エンジニア業界に強いと感じた転職エージェント情報
理系、バイオ系、エンジニア系の求人は専門性が高く、自分にあった求人がなかなか見つけられないこともあります。そこで、私の経験からこれらの業界に強いエージェントをまとめてました。登録しておくだけでも、忘れたころに、「お、これは?」というような求人情報が届くことがありました。より多くの転職サービスを、と考えられている方にはおすすめです。
アカデミア業界で培ったスキルを武器に!
アカデミアを経験するといくつかの特別なスキルを培うことができます。このスキルは一般の応募者にはない強みになります。転職エージェントとのやりとりの中で、個々の強みやスキルを応募書類や面接対策に落とし込むことができます。アカデミア向けの転職活動では気が付かなかったスキル(例えば論文以外の経験など)が民間企業では意外と評価されます。論文数が少ない、実績が少ない、と感じている方も、転職エージェントとのやりとりで必ず強みを見つけることができます。
アカデミア経験で培うことができるスキル
・研究における専門性
・研究生活で得た論理的思考能力
・研究業界の人脈
・研究データに対する統計知識、スキル
・論文作成、外部発表、海外文献に対する英語スキル
・プレゼン力とその経験
・予算獲得のノウハウ
・共同研究の経験
・大型研究施設の利用経験
・国内外の学会発表の経験
・留学経験 など
そもそも、民間の転職市場でアカデミア出身者の強みはあるのか?
アカデミア出身者が民間企業へ転職する際の強みとはなんでしょうか?
それは「専門性」です。
アカデミアからの転職の成功の秘訣は、自分自身が持っている専門性と採用側が求めている専門性が一致している求人をみつけることです。新しい分野にチャレンジしてみるのも良いのですが、経験不足で採用見合わせだったり、入社できても元の研究分野に未練が残り後悔するとことが多くあります。自分の専門的知識を求めている会社を探してアプローチすることで、アカデミアからの転職の勝機が見えてきます。
やはり、アカデミア時代の研究に未練が残ってしまう
一度、アカデミアで研究者を目指された方は自分の研究に強い思いがあります。民間企業へ転職を決意したとしても、心のどこかで研究に対する未練があります。
とあるベンチャー企業の社長とお話したときに、「アカデミア時代の研究に未練はありませんか?」とお聞きしたところ、「実はまだ未練がありますね。チャンスがあれば戻りたいと思うことがあります」とおっしゃっていました。実は私も、いまだに研究に未練があります。時々、Natureなどの論文に目を通しています(アカデミア以外のキャリアプランについてのNatureの記事)。とはいえ、アカデミアの多くは任期制で、ポストも先細り。多くの方がアカデミアを離れなければならない状況です。任期間近になって、あわてて転職活動を始めても良い求人には巡り合うことは難しいのが現状。
そういったことを避けるためにも、アカデミアポストへの応募も継続しながら、転職エージェントに登録をして情報収集を始めることが大切です。そうすることで、思いもよらないチャンスに巡り合える可能性が高まります。
「博士アレルギー」をもつ日本の企業
ちなみに、日本国内では企業側が抱く博士のイメージがあまりよくありません。もはや「博士アレルギー」ともいえると思います。できれば、応募書類や面接において、採用担当者が抱く博士のネガティブな印象を払拭しておく必要があります。
・コミュニケーション能力が低い
・個人プレーヤーが多い
・組織への浸透性が低い、柔軟性に欠ける
・プライドが高い
・研究分野以外は興味をもたないのではないか
博士はコミュニケーション能力が低い、個人プレーヤーが多いというイメージ
民間企業においては取引先や社内の同僚、上司、部下など関係者と連携をとりながら仕事をすすめていきます。アカデミアのように自分自身でスケジュールを管理し、自分のペースで実験ができることは少なくなります。様々なタイプの相手とコミュニケーションをとりながら仕事をすすめなければなりません。共同研究先との連携や教授や研究内の同僚、指導した学生などのコミュニケーション経験、連携して研究を進めたことなどをPRするとよいでしょう。
博士は組織への浸透性が低い、柔軟性に欠けるというイメージ
アカデミアの人たちは既存の組織になじめるか、既存のルールに素直に従うことができるかと考えられてしまう傾向もあるのが事実です。企業の方より、ポジションを転々とすることも多いアカデミアなので、新しい環境への適応能力はあります、という感じでPRしてみてください。また、アカデミアから民間企業へ転職した場合には、やり方や方針の違いに戸惑うことが多くなると思います。自分のやり方を貫きとおすのではなく、柔軟に対応できる、ということをアピールしましょう。
博士はプライドが高いのでは?というイメージ
博士、というものは自分をもっていてプライドが高い人も多いかと思います。そのプライドを捨てて、新たな環境で若手のスタッフからスキルを教えてもらうことができるか、などと企業側担当者は気にします。面接では常に謙虚な姿勢で、新たな環境でも前向きに取り組み、場合によっては技術を教えてもらいたい(自分で勉強するのではなく)、という姿勢をPRしましょう。
どのような転職市場にアカデミア出身者のニーズがあるか
大手メーカー
できれば、年棒もよく研究環境が整っている大手メーカーへの転職が理想です。大手メーカーのキャリア採用の場合、特定の専門領域の博士を求めるケースがあります。研究分野が重複している場合には、転職のチャンスです。ただし、年齢的に若い年齢を好む傾向があります。内部の管理職より転職者の年齢がうわまわってしまうことを嫌います。この点は注意したほうがよいでしょう。
ベンチャー
最近は資金調達がしやすい環境が出来つつあり、アカデミア発のバイオ系やIT系のベンチャー企業が増えてきて、そういった会社に転職する人も増えてきています。同じ価値観を共有しやすく、小回りが利くことから専門性も生かしやすいという特徴があります。年齢も大手企業ほどのこだわりを持たないベンチャーが多いのも事実です。実際アカデミア出身者が多く在籍しているのも特徴で、アカデミアからの転職先としてはおすすめです。ただ、会社の将来性や福利厚生の低さついてはリスクとしてとらえましょう。また、待遇については入社前に企業調査を徹底しておいたほうがよいでしょう。
外資系企業
ポスドク、アカデミアの方は、英語がある程度堪能な方が多く、論文やプレゼン経験もあるということで、外資系企業からオファーがよく来ます。また外資企業は博士に対する評価が非常に高く、日系企業のように博士アレルギーはもっていません。そのため、転職のチャンスは十分にあります。ただし英語力については、ある程度は要求されます。外国人のエージェントから連絡があったり、面接の質疑応答が英語だったり、、、、ということもあります。もちろん、日本語でやりとりする外資企業もありますので、自分の能力にあった企業にエントリーするとよいでしょう。
Openwork(旧Vorkers)
転職会議
キャリコネ
カイシャの評判
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アカデミアから民間企業への転職ノウハウのまとめ
「専門性は高いが視野が狭く、使い勝手が悪い」
「若い社員を自社で教育したほうが効率的」
「コミュニケーション能力に欠ける」
などと敬遠されています。しかし、近年は博士の採用には積極的な企業や博士課程修了者に限定した採用枠を設けている企業などが増えてきてました。さらに博士向けの就職情報を提供し、専門性の高い人材を必要とする企業とのマッチングしてくれる人材紹介会社も増えてきました。またNature誌にもこのような記事がありました。是非、広い視野をもってキャリアプランを考えてみて下さい。
ポスドク、博士、アカデミア出身者の転職には、こういった転職エージェントの利用は有効です。今回紹介させていただいたエージェントはできるだけ登録しておくことをおすすめします。
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