私はこれまでに2社のバイオ系ベンチャー企業で勤務し、転職によって得たもの・失ったものの両方を経験しました。本記事では、私自身の実体験をもとに、ベンチャー転職の理想と現実、そして後悔しないための見極め方を15,000文字にわたって徹底的にお伝えします。
第1章:なぜバイオベンチャーに転職したのか
大手製薬企業で数年勤務した後、私は「もっと裁量を持って研究したい」「社会にインパクトを与える仕事がしたい」という思いから、バイオベンチャーへの転職を決意しました。
面接では「最先端の技術に触れられる」「スピード感のある開発ができる」といった魅力的な言葉が並び、私の心は大きく動きました。
第2章:1社目の転職体験 ― 理想と現実のギャップ
2-1. 面接時の印象と入社後の違和感
最初に入社したのは、大学発の創薬ベンチャー。面接では創業者が熱く語るビジョンに共感し、「ここでなら自分の力を試せる」と感じました。
しかし、実際に入社してみると、現場には混乱が蔓延していました。日々変わる方針、曖昧なマネジメント、そしてリソース不足。
「昨日決まったことが翌日には覆る」という状況が繰り返され、私は次第に疲弊していきました。
2-2. 組織としての未熟さ
ベンチャーゆえの柔軟性はあるものの、意思決定プロセスが不透明で、現場の声が経営層に届かない構造になっていました。
また、評価制度も整っておらず、成果を出しても正当に評価されるとは限らないという不安がありました。
第3章:2社目の転職体験 ― 研究職の実態と倒産の衝撃
3-1. 「研究職」のはずが、実態は保守業務
2社目では「研究職」として採用されましたが、実際には既存製品の仕様調整やバリデーション、顧客対応が中心でした。
「仮説を立てて検証する」といった研究活動はほとんどなく、私は「これが自分のやりたかったことなのか」と疑問を抱き続けていました。
3-2. 突然の倒産通知
そしてある日、突然届いたのが「会社清算のお知らせ」。資金繰りが悪化し、次の資金調達が失敗に終わったとのことでした。
「明日から会社がなくなる」という現実に、私は言葉を失いました。
社員同士で励まし合いながら、最後まで業務を全うしたことは今でも忘れられません。
第4章:ベンチャー転職で得た気づきと教訓
- 肩書きに惑わされず、実務内容を確認する
- 経営陣と現場の距離感を見極める
- キャッシュフローや資金調達状況を自分で調べる
- 「やりたいこと」と「会社のフェーズ」が一致しているかを確認する
第5章:転職前に確認すべき10のチェックリスト
チェック項目 | 確認ポイント |
---|---|
実務内容 | 直近1ヶ月の業務内容を具体的に質問 |
組織構造 | 経営層と現場の距離感、意思決定の流れ |
評価制度 | 昇給・昇格の基準が明文化されているか |
資金調達状況 | シリーズA〜Cの進捗、投資家の質 |
離職率 | 直近1年での退職者数とその理由 |
働き方 | 残業時間、有給取得率、リモート可否 |
事業の将来性 | 市場規模、競合、差別化ポイント |
上司のタイプ | マイクロマネジメントか放任型か |
社内コミュニケーション | チームでの連携、定例会議の頻度 |
社風・文化 | 挑戦を歓迎するか、保守的か |
第6章:転職後のキャリア構築とリカバリー戦略
ベンチャーでの失敗を経て、私は「キャリアの軸」を見直しました。
失敗を恐れず、経験を糧に次のステップへ進むこと。
そして、自分の価値観に合った職場を選ぶことの大切さを痛感しました。

まとめ:後悔しないための「見極め力」とは
ベンチャー転職は魅力的ですが、リスクも伴います。
肩書きや雰囲気に流されず、「自分の目で確かめる力」を持つこと。
それが、後悔しないキャリア選択につながると私は信じています。
よくある質問(FAQ)
Q1. ベンチャーに向いている人の特徴は?
変化を楽しめる人、自己管理ができる人、自走力のある人が向いています。
Q2. 転職前に企業の内部情報を得るには?
元社員の口コミ、LinkedInでのOB訪問、IR資料などを活用しましょう。
Q3. 倒産リスクはどう見極める?
資金調達の進捗、売上成長率、キャッシュフロー、投資家の質を確認しましょう。