この記事では私の転職経験をもとに博士、ポスドク、アカデミア研究者から民間企業への転職に役立つ情報やノウハウをご紹介します。
私のように50歳前後のアカデミア在籍者の方も、大手企業に転職することは十分に可能です。アカデミア在籍者の方は参考にしてみてください。なおこの記事は企業PR・紹介を含みます。
アラフィフでアカデミアの研究員から管理職に転職で人生が変わった
アカデミア時代のリアル – 理想と現実のギャップ
- 当時の私について
- 専門分野: 生命科学
- 経歴: 博士を取得後、アメリカへ留学し、国内の研究機関で30年近くアカデミアで任期付き研究員(5年任期)
- 年収: 約500万円(各種手当込み、昇給はほぼ無し)
- やりがい: 自分の探究心に基づき、自由に研究テーマを追求できる喜び。論文がアクセプトされた瞬間の達成感。
- 抱えていた4つの「不安」
- 経済的な不安: 将来の昇給も見込めない。住宅購入などライフプランを描けない。
- 雇用(キャリア)の不安: 任期が切れたら次はどこへ?常につきまとう「ポスト探し」。
- 民間企業転職活動への不安:
「博士って企業で採用してもらえるのか?年齢的に大丈夫だろうか?年収は?論文は必要?」
「どうやって民間企業の転職先をみつければいいのか?」 - 「アカデミアからの逃げた」と周囲から思われてしまう
未知の世界へ – 手探りの転職活動
一念発起し、民間への転職を決意。しかし、アカデミアしか知らない私にとって、それは困難の連続でした。
- ぶつかった壁
- 「職務経歴書」が書けない: 研究業績をどうアピールすれば企業に伝わるのか全く分からなかった。
- 「博士は使いにくい」という偏見: 面接で「専門分野がニッチすぎる」「プライドが高そう」といった先入観を持たれ、悔しい思いをした経験。
- 年収交渉の仕方が分からない: 自分の市場価値が分からず、希望年収を伝えることにすら戸惑う。
- 突破口となったもの
- 転職エージェントの活用(例えば、アカリクキャリア、JACリクルートメント、リクルートダイレクトスカウト): 客観的な視点で自分の強み(論理的思考力、課題設定・解決能力、粘り強さ)を言語化してくれた。まずは、アカデミアポジションへの応募を継続しながら、転職エージェントする。
- 「翻訳」作業の重要性: 自分の研究スキルを「ビジネス言語」に翻訳する練習を徹底。「〇〇という課題を△△というアプローチで解決し、□□という成果を出した」というストーリーで語れるように。
- 博士(自分自身)を必要としている企業を時間をかけて探す
→ライフサイエンス系研究職の内定獲得
アカデミアからの転職の場合は、自分自身が持っている専門性と企業側が求めている専門性を一致させることが重要です。JACリクルートメントは膨大な情報量をもっていて、そのなかから自分の専門にあった人材を探し出してくれます。理系出身や女性のエージェントが多く在籍していてレベルも業界トップクラスです。バイオ・ライフサイエンス系など各技術系専門分野に精通していて、アカデミアからの転職実績も豊富です。実際、私の専門分野のことも本当に良く理解していて驚いたことがありました。また、業界トップレベルの膨大な求人情報を持っていて、その中から自分にあった企業を探し出して頻繁に連絡をしてくれます。
→アカデミアから民間企業への転職の足掛かりとしては登録する人が多い
アカリクキャリアは大学院出身者、ポスドク、エンジニア、研究者に特化した就職サイト「アカリクWEB」を運営する転職エージェントサービスです。
累計11万人以上の就職支援実績があり、アカリク登録者も8割以上が博士号取得者です。
→スカウトが結構届く
実際、転職エージェントは本当にたくさんありますが、アカデミア出身者の転職の手始めに登録するには最適のエージェントです。アカデミア在籍者、博士の方が民間企業への転職活動を始めたときに「まず登録して様子を見てみよう」と考えて利用するケースが多いサービスです。実際ヘッドハンティングやスカウトの連絡があるので、転職活動のよいきっかけになります。
→理系人材・管理職・スペシャリスト・年収800万円以上の転職に強いエージェント
首都圏・全国のハイクラス求人・非公開求人が豊富で、年収アップ・キャリアアップを目指す方に最適なサポート体制が特徴です。
転職後の劇的ビフォーアフター
奮闘の末、大手メーカーの研究開発系管理職に内定。入社後、私の世界は一変しました。
- 【Before → After】
- 年収: 500万円 → 850万円(初年度) にUP!3年後には1000万円越え。
- さらに退職金制度もあり、生涯賃金の差は歴然。
- 雇用: 任期付き → 無期雇用(正社員) へ。
- 「来年の心配」から完全に解放され、精神的な安定を手に入れた。住宅ローンの審査にもあっさり通過。
- 働き方: 個人プレー → チームプレー へ。
- 様々な専門性を持つ仲間と協力し、一つの製品を世に送り出す。自分の研究が「商品」という目に見える形で社会の役に立つ喜びは、論文執筆とはまた違う大きなやりがい。
- 評価: 論文数 → 会社への貢献度 へ。
- プロセスだけでなく、チームや事業への貢献という明確な指標で評価される。上司との定期的な面談で、キャリアパスも明確に。
- 年収: 500万円 → 850万円(初年度) にUP!3年後には1000万円越え。
アカデミア時代は、誌上発表だけが人生の目標なんて考えていましたが、決してそうではない、ということに転職してから気が付きました。また、論文数が少ない、実績が少ない、と感じていても、民間企業への転職では関係ありませんでした。また、民間企業では他の社員とテーマを共有しながら研究・開発をすすめていくので、むしろアカデミアよりやりがいは見つけられやすいと思いました。
場合によっては企業からアカデミアに戻ることも
民間の実績も踏まえて、アカデミアポストに再チャレンジすることも可能です。実際、ある公立大学のポストの話が来たり、寄付講座などで特任教授などの話もあったりで、企業とはいえアカデミアとは関わり続けることになります。
大事なのは「ミスマッチを減らす」、企業の「リアルな姿」を見抜く徹底リサーチ術
民間企業への転職活動を始めた当初はとりあえず内定を取ることに一生懸命で、あまり企業研究や社風というものを意識しませんでした。
そのため、1回目と2回目に入社した会社では、ミスマッチにずいぶんと悩みました。
後から面接のプロセスを振り返ると、あのときのあの場面にはブラックな一面を示すサインだったんだ、なんて気が付くこともありました。
ミスマッチを減らすためには、企業の「リアルな姿」を事前に見抜くことが重要です。
1. 求人票の「裏」を読むトレーニング
求人票の美辞麗句を鵜呑みにせず、その裏にある可能性を考えましょう。
- 「アットホームな職場」 → プライベートにも干渉される文化かも?
- 「若手が活躍できる!」 → 人がどんどん辞めて、若手に頼らざるを得ないだけかも?
- 「裁量が大きい」 → サポート体制がなく、ただの丸投げかも?
- 辞めた人を補填する求人か(これはダメ)、新規事業拡大のための求人か(こちらに応募すべし)を見極める
2. 「一次情報」にあたる
イメージや求人票だけでなく、よりリアルな情報を集めます。
- 企業の口コミサイト: 「OpenWork」や「転職会議」などで、現職・元社員のリアルな声(社風、残業、有給消化率など)を確認します。ただし、ネガティブな意見に偏る傾向もあるため、あくまで参考情報として捉えましょう。
- 転職エージェントからの内部情報: 担当のエージェントに「この企業の実際の残業時間はどうですか?」「離職率は高いですか?」など、聞きにくいことを遠慮なく質問しましょう。彼らは企業内部の情報を持っていることが多いです。
個人的には、社員の少ないベンチャーは避ける、社長が理系出身者ではないベンチャーもさけて、できるだけ社員が多い企業を選ぶようにしていました。
アカデミアから企業へ。転職エージェントを最大限に活用すべき5つの理由
「自分の研究経歴は、企業でどう評価されるんだろう?」 「職務経歴書の書き方が、論文とは違いすぎて分からない…」アカデミアから民間企業への転職を考えたとき、多くの研究者がこのような未知の壁に直面します。アカデミアと企業では、文化も言語も評価基準も大きく異なるため、独力での転職活動は困難を極めることも少なくありません。そんな時に、アカデミア出身者の「翻訳者」であり「戦略的パートナー」となってくれるのが転職エージェントです。なぜ、特にアカデミアから企業への転職でエージェントの利用が有効なのか。その具体的なメリットを5つに絞って徹底解説します。
メリット1:出会えなかったはずの「非公開求人」にアクセスできる
企業の求人には、企業のウェブサイトや転職サイトに掲載されている「公開求人」のほかに、**エージェントだけが紹介できる「非公開求人」**が多数存在します。
【なぜ非公開求人が存在するのか?】
- 新規事業や研究開発など、機密性の高いポジション
- 特定の専門性を持つ人材をピンポイントで探している場合
- 応募が殺到するのを防ぎ、効率的に採用活動を進めたい人気ポジション
特に、高度な専門性を持つ博士やポスドク人材を求める求人は、非公開で進められるケースが少なくありません。独力では決して出会えなかったであろう、あなたの専門性にぴったりの求人に出会える可能性が格段に高まること。これがエージェントを利用する最大のメリットの一つです。
メリット2:研究実績を「企業の言葉」に翻訳してくれる
転職活動で最初の壁となるのが「書類選考」です。特に、アカデミアでの業績を企業の採用担当者に魅力的に伝える「職務経歴書」の作成は至難の業です。
【よくある失敗例】
- 論文リストや学会発表をただ羅列してしまう。
- 専門用語が多すぎて、何がすごいのか伝わらない。
- 研究のプロセスは書いても、それがどうビジネスに貢献できるのか示せていない。
転職エージェント、特に研究職に強いエージェントは、あなたの研究内容をヒアリングし、その中から**企業の求める能力(課題解決能力、論理的思考力、プロジェクト遂行能力など)**を的確に引き出し、ビジネス言語に「翻訳」してくれます。
このように、あなたの経歴を「企業が評価するフォーマット」に整えてくれるため、書類選考の通過率が劇的に向上します。
メリット3:あなたの「客観的な市場価値」と適正年収がわかる
「自分の経歴だと、年収はいくらが妥当なんだろう?」
アカデミアの給与体系に慣れていると、民間企業における自分の市場価値は全く分かりません。転職エージェントは、あなたの専門性、スキル、年齢などを考慮し、客観的な市場価値と、目指せる年収レンジを具体的に提示してくれます。さらに、自分では言い出しにくい年収交渉も代行してくれます。企業側の給与水準や過去の採用実績などを踏まえて、論理的に交渉を進めてくれるため、個人で交渉するよりも高い年収を引き出せる可能性が高まります。
メリット4:企業の「リアルな内部情報」が得られる
Webサイトだけでは分からない、企業のリアルな情報を得られるのも大きなメリットです。
- 社風や部署の雰囲気、人間関係
- 実際の残業時間や、有給休暇の取得しやすさ
- 配属予定部署の具体的なミッションや課題
- 面接で重視されるポイントや、過去の質問事例
エージェントは、何度もその企業に人材を紹介しているため、人事担当者との強いパイプを持っています。こうした「生の情報」は、入社後のミスマッチを防ぎ、面接対策を立てる上で非常に役立ちます。
メリット5:面倒な手続きを代行。研究と転職活動を両立できる
多忙な研究活動の合間を縫って転職活動を進めるのは大変です。エージェントを利用すれば、以下のような煩雑な作業をすべて代行してくれます。
- 企業への応募手続き
- 面接日程の調整
- 選考結果の連絡
- 内定後の入社条件の確認
あなたは「自己分析」や「企業研究」、そして「面接の準備」といった、自分にしかできないコアな部分に集中できます。これにより、研究に支障をきたすことなく、効率的に転職活動を進めることが可能になります。
私が民間転職に利用した転職エージェント
アカデミアから企業への転職は、いわば「文化も言語も違う国へ移住する」ようなものです。転職エージェントは、その未知の世界を渡るための「地図」であり「羅針盤」、そして優秀な「通訳」になってくれます。専門家のサポートがあることで、不要な回り道を避け、あなたの可能性を最大限に広げることができます。本気で企業への転職を考えているなら、まずは研究職に強いエージェントに複数登録し、一度キャリア相談をしてみることを強くお勧めします。
・アカリクキャリア → アカデミアからの転職専門エージェント
・リクルートダイレクトスカウト →スカウトが結構届く
・type転職エージェントハイクラス →理系人材が得意
一般的に大手の求人は複数の転職サービスが情報を共有しているため、応募が競合することがすくなくありません。
そこであまりメジャーではないのですが、業種や地域に限定的に強みをもつ中小規模の転職エージェントを探して登録するようにしました。
大手エージェントではよい求人を見つけられなかった方には以下のエージェント各社の登録をおすすめします。
まずは転職のプロとのやり取りで民間への転職活動の感覚をつかみむ
最初は、民間企業に対してどのように転職活動をすればよいかまったくわかりませんでした。何気なく転職エージェントのJACリクルートメントへ登録したことがきっかけとなりました。エージェントとのやり取りを続けていくうちに民間企業への転職の感覚が徐々に身についていきました。
転職活動初期から優秀なエージェントを利用することで、民間企業への転職の全体像を理解することができ、また気持ちも大変落ち着きます。また、アカデミア時代の研究実績や培った技術のなかから「自身の強み」をより明確にすることができるようになります。また、どのような業界や職種が自分の専門性と一致しているのかも理解できるようになります。
任期が迫ってくると、転職活動に時間をかけることも難しくなります。慌てて転職先を見つけようとすると、転職後に後悔することも少なくありません。民間企業に転職する、しないにかかわらず、転職エージェントに登録しておくことが重要です。これらの転職エージェントの登録・利用はすべて無料です。もしスカウトが届いても断ることができます。転職を考え始めたらエージェントへの登録だけでもしておくことをおすすめします。
複数の転職エージェントに登録して、できるだけ多くの情報を集める
各社はもちあわせている求人情報やサポート体制、得意とする分野に違いがあります。複数の転職エージェントに登録しておくことでより多くの求人情報に触れることができます。積極的に利用しましょう。
中小規模エージェントは狙い目
転職活動中はできるだけたくさんの求人情報に目を通すことが大切です。そのためエージェントは複数登録することをおすすめします。またあまり知られていないレアな求人や自分を求めている求人を探すことも大切です。有名どころだけでなく、中小規模のエージェントも組み合わせて登録をしてみて下さい。
理系、バイオ系、エンジニア業界に強いと感じた転職エージェント情報
理系、バイオ系、エンジニア系の求人は専門性が高く、自分にあった求人がなかなか見つけられないこともあります。そこで、私の経験からこれらの業界に強いエージェントをまとめてました。登録しておくだけでも、忘れたころに、「お、これは?」というような求人情報が届くことがありました。より多くの転職サービスを、と考えられている方にはおすすめです。
民間企業が求める「博士人材」のリアル、アカデミア業界で培ったスキルを武器に!
アカデミアを経験するといくつかの特別なスキルを培うことができます。このスキルは一般の応募者にはない強みになります。転職エージェントとのやりとりの中で、個々の強みやスキルを応募書類や面接対策に落とし込むことができます。アカデミア向けの転職活動では気が付かなかったスキル(例えば論文以外の経験など)が民間企業では意外と評価されます。論文数が少ない、実績が少ない、と感じている方も、転職エージェントとのやりとりで必ず強みを見つけることができます。
アカデミア経験で培うことができるスキル
・研究における専門性
・研究生活で得た論理的思考能力
・研究業界の人脈
・研究データに対する統計知識、スキル
・論文作成、外部発表、海外文献に対する英語スキル
・プレゼン力とその経験
・予算獲得のノウハウ
・共同研究の経験
・大型研究施設の利用経験
・国内外の学会発表の経験
・留学経験 など
そもそも、民間の転職市場でアカデミア出身者の強みはあるのか?
アカデミア出身者が民間企業へ転職する際の強みとはなんでしょうか?
それは「専門性」です。
アカデミアからの転職の成功の秘訣は、自分自身が持っている専門性と採用側が求めている専門性が一致している求人をみつけることです。新しい分野にチャレンジしてみるのも良いのですが、経験不足で採用見合わせだったり、入社できても元の研究分野に未練が残り後悔するとことが多くあります。自分の専門的知識を求めている会社を探してアプローチすることで、アカデミアからの転職の勝機が見えてきます。
やはり、アカデミア時代の研究に未練が残ってしまう
一度、アカデミアで研究者を目指された方は自分の研究に強い思いがあります。民間企業へ転職を決意したとしても、心のどこかで研究に対する未練があります。
とあるベンチャー企業の社長とお話したときに、「アカデミア時代の研究に未練はありませんか?」とお聞きしたところ、「実はまだ未練がありますね。チャンスがあれば戻りたいと思うことがあります」とおっしゃっていました。実は私も、いまだに研究に未練があります。時々、Natureなどの論文に目を通しています(アカデミア以外のキャリアプランについてのNatureの記事)。とはいえ、アカデミアの多くは任期制で、ポストも先細り。多くの方がアカデミアを離れなければならない状況です。任期間近になって、あわてて転職活動を始めても良い求人には巡り合うことは難しいのが現状。
そういったことを避けるためにも、アカデミアポストへの応募も継続しながら、転職エージェントに登録をして情報収集を始めることが大切です。そうすることで、思いもよらないチャンスに巡り合える可能性が高まります。
「博士アレルギー」をもつ日本の企業
ちなみに、日本国内では企業側が抱く博士のイメージがあまりよくありません。もはや「博士アレルギー」ともいえると思います。できれば、応募書類や面接において、採用担当者が抱く博士のネガティブな印象を払拭しておく必要があります。
・コミュニケーション能力が低い
・個人プレーヤーが多い
・組織への浸透性が低い、柔軟性に欠ける
・プライドが高い
・研究分野以外は興味をもたない
博士はコミュニケーション能力が低い、個人プレーヤーが多いというイメージ
民間企業においては取引先や社内の同僚、上司、部下など関係者と連携をとりながら仕事をすすめていきます。アカデミアのように自分自身でスケジュールを管理し、自分のペースで実験ができることは少なくなります。様々なタイプの相手とコミュニケーションをとりながら仕事をすすめなければなりません。共同研究先との連携や教授や研究内の同僚、指導した学生などのコミュニケーション経験、連携して研究を進めたことなどをPRするとよいでしょう。
博士は組織への浸透性が低い、柔軟性に欠けるというイメージ
アカデミアの人たちは既存の組織になじめるか、既存のルールに素直に従うことができるかと考えられてしまう傾向もあるのが事実です。企業の方より、ポジションを転々とすることも多いアカデミアなので、新しい環境への適応能力はあります、という感じでPRしてみてください。また、アカデミアから民間企業へ転職した場合には、やり方や方針の違いに戸惑うことが多くなると思います。自分のやり方を貫きとおすのではなく、柔軟に対応できる、ということをアピールしましょう。
博士はプライドが高いのでは?というイメージ
博士、というものは自分をもっていてプライドが高い人も多いかと思います。そのプライドを捨てて、新たな環境で若手のスタッフからスキルを教えてもらうことができるか、などと企業側担当者は気にします。面接では常に謙虚な姿勢で、新たな環境でも前向きに取り組み、場合によっては技術を教えてもらいたい(自分で勉強するのではなく)、という姿勢をPRしましょう。
どのような転職市場にアカデミア出身者のニーズがあるか
大手メーカー
できれば、年棒もよく研究環境が整っている大手メーカーへの転職が理想です。大手メーカーのキャリア採用の場合、特定の専門領域の博士を求めるケースがあります。研究分野が重複している場合には、転職のチャンスです。ただし、年齢的に若い年齢を好む傾向があります。内部の管理職より転職者の年齢がうわまわってしまうことを嫌います。この点は注意したほうがよいでしょう。
ベンチャー
最近は資金調達がしやすい環境が出来つつあり、アカデミア発のバイオ系やIT系のベンチャー企業が増えてきて、そういった会社に転職する人も増えてきています。同じ価値観を共有しやすく、小回りが利くことから専門性も生かしやすいという特徴があります。年齢も大手企業ほどのこだわりを持たないベンチャーが多いのも事実です。実際アカデミア出身者が多く在籍しているのも特徴で、アカデミアからの転職先としてはおすすめです。ただ、会社の将来性や福利厚生の低さついてはリスクとしてとらえましょう。また、待遇については入社前に企業調査を徹底しておいたほうがよいでしょう。
外資系企業
ポスドク、アカデミアの方は、英語がある程度堪能な方が多く、論文やプレゼン経験もあるということで、外資系企業からオファーがよく来ます。また外資企業は博士に対する評価が非常に高く、日系企業のように博士アレルギーはもっていません。そのため、転職のチャンスは十分にあります。ただし英語力については、ある程度は要求されます。外国人のエージェントから連絡があったり、面接の質疑応答が英語だったり、、、、ということもあります。もちろん、日本語でやりとりする外資企業もありますので、自分の能力にあった企業にエントリーするとよいでしょう。
Openwork(旧Vorkers)
転職会議
キャリコネ
カイシャの評判
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アカデミアから民間企業への転職ノウハウのまとめ
「専門性は高いが視野が狭く、使い勝手が悪い」
「若い社員を自社で教育したほうが効率的」
「コミュニケーション能力に欠ける」
などと敬遠されています。しかし、近年は博士の採用には積極的な企業や博士課程修了者に限定した採用枠を設けている企業などが増えてきてました。さらに博士向けの就職情報を提供し、専門性の高い人材を必要とする企業とのマッチングしてくれる人材紹介会社も増えてきました。またNature誌にもこのような記事がありました。是非、広い視野をもってキャリアプランを考えてみて下さい。
ポスドク、博士、アカデミア出身者の転職には、こういった転職エージェントの利用は有効です。今回紹介させていただいたエージェントはできるだけ登録しておくことをおすすめします。